| 鋤田博之氏 |
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まず目にしたのはとても清潔に保たれた仕事場だ。機械も山園織機製作所
の最新設備を何台も揃える。時代の変化にも柔軟に対応してきた鋤田氏は
「{昔からこうだったから…}ではいけないんだ」と力強く話した。
織機にはラベル自動折り込み装置も付いている。これは「間違いなく自分が
織った畳表」だという証拠。さらに織機に乗せる直前のイ草も、最新の
テクノロジーの加湿機で天候状況に合わせ徹底した管理の下、完璧に加湿
をコントロールする。畳表が完成した後の干しあげは長年の経験で上手に
水分を抜いていく。中に織り込まれた糸はマルヱ株式会社との協力により
織機の機能を最大限に使い麻糸も限界まで張る。そうする事により経糸を
巧みに引き出し、どんな畳床にも張りやすいように作っている。
その為には織機の定期的なメンテナンスも欠かさない。イ草の管理は苗の
植え付けの時点からこだわる。1株ずつ丁寧に分けて植えるポット植えだ。
後半の生育が違う上に粒ぞろいも良くなる。また1反あたりの取れる量が
多くなり質も向上する。織り、草、仕上がり。全ての点で安定したものを供給
する。それはまさにメーカーという肩書きを持つ生産者だ。
「作るのが楽しい」。織りにも見えない部分にもこだわるご夫婦には常に
そんな雰囲気が漂っていた。 |
| 堀口義孝氏 |
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若藺会に所属する堀口氏。仕事場に行くと、今では珍しくなった「平田式織機」
が顔を出す。「中村式織機」が一般的になりつつある中で、織機にもこだわる
理由。それは「仕上がった時の面づらが柔らかいんだ。」と堀口氏は口を開いた。
少し幅の広い織機だが、イ草をしっかり合わせて打つ。仕上がっていく畳表は
表情が柔らかく見えた。でも地締めもしっかりしている結果、触れたときには
どっしりとした感覚がある。
堀口氏とはお酒も良くご一緒させていただく。楽しく飲んでいる時も「かとちゃん。
1番大事なのは仕上げだよ。どんなに素晴らしいイ草があっても乾燥がうまく成功
しても最後の仕上げが少しでも荒れると意味がないんだ。」と真剣な眼差しで
話しかける。1年という長い期間の中、生の草から畳表となるまで一切の妥協は
許されない。またその年の気候によって取れるイ草が違い、一生イ草を栽培しても
二度と同じものは取れない。それ故、その時取れた草をその年のベストな畳表に
仕上げていく。いつも念頭にあるのは消費者の皆様に安心して使って喜んで
もらえたら、ということだ。お客様には当然の「傷は出さない」というのは簡単には
出来ないものであると私も常々実感させられた。
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| 板平和芳氏 板平安祐氏 |
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同じく若藺会に名を連ねている板平氏。息子さん夫婦と共に親子二代に渡り
「良質なイ草とは何か?」その答えを求め、日々模索している。
親父さんは言う。「何十年もやってきてやっと夕凪に行き着いたとですよ。」
イ草自体は在来種やひのはるかよりも硬い。そして先端から根っこまでが
比較的変わらない。 中身の綿もたっぷり入っているので織り上げたときの
面が良い。 現在は表面の色合いが均一に整っていて、とてもきれいな
ひのはるかも手がけているが熱意はどちらも変わらない。
イ草のランク分けの際も余裕をもって切り抜いている。それはどうしてか?
作れる数は減るが、より真ん中の良い部分を少しでも多く揃えたいからだ。
板平氏の作り上げる畳表の特徴は、上物はもちろん下物まで肉厚なうえに
キレイである。 親父さんは続けた。 「まずは信用第一。」
短い言葉だが、これからの時代に1番必要なものだ。
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| 坂田浩二氏 |
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八代市 竜峰地区で畳表を作り続ける坂田氏。 当店も長年使用させて
いただいている。
「まず自分の家に敷いて、気に入らないものは作りたくない。」
私に開口一番言った言葉だ。 「良い藺草が一番」 そして「加工」。
このふたつを両立するのは非常に難しい。良い藺草を生み出す努力。
それはまず肥料作りから考える。 「菜の花主体の肥料でいこう。」
有機肥料をふんだんに使って育てて出来た藺草を丁寧に乾燥させ加工
に入る。 麻糸と草と織機の調和。 この三点を丁寧に調整し、ぎっしりと
目の詰まった畳表になっていく。1年という長い年月をかけ、手間隙かけて
完成した畳表。本人が「ツヤも光り方も違うんだ。」と言うように、敷地内に
たっぷりと広げられた畳表を見ると、確かに光沢が違っていた。
誰よりもお客様の心を知った坂田氏の存在は心強い。 |
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